ワンストップ特例制度とは?確定申告不要で控除を受ける申請手順

- ワンストップ特例制度の正式名称は「ふるさと納税ワンストップ特例制度」で、確定申告なしで寄付金控除が受けられる仕組みです。
- 対象は確定申告が不要な給与所得者で、1年間の寄付先が5自治体以内の人に限られます。
- 控除は所得税からではなく、全額が翌年度分の住民税から差し引かれます。
- 実質的な自己負担は2,000円で、それ以外の金額が控除されます。
- 申請期限は寄付した翌年の1月10日必着で、全国一律です。
ワンストップ特例制度の結論

ワンストップ特例制度は、確定申告をしなくてもふるさと納税の寄付金控除が受けられる、給与所得者向けの仕組みです。
正式名称は「ふるさと納税ワンストップ特例制度」。「ワンストップ特例制度」という名前の独立した制度があるわけではなく、ふるさと納税専用の特例です。
私は税理士事務所で5年間、個人の確定申告補助をしていました。正直に言うと、給与だけの会社員にとって確定申告は手間が大きい。この制度は、その手間をまるごと省くために作られたものだと考えています。
控除の中身にも特徴があります。通常の確定申告では所得税の還付と住民税の控除に分かれますが、この制度では所得税からの控除は行われず、全額が翌年度分の住民税から差し引かれます。
ふるさと納税とは?
ふるさと納税とは、自分が応援したい自治体に寄付をすると、寄付額から2,000円を引いた金額が税金から控除される制度です。

自己負担2,000円で各地の返礼品を受け取れる、というのが多くの人にとっての魅力でしょう。総務省の資料でも、寄付額から2,000円を差し引いた金額が控除の対象になると示されています。
ただし、寄付をしただけでは控除は受けられません。確定申告か、このワンストップ特例制度のどちらかで手続きをする必要があります。ここを見落とすと、ただの寄付で終わってしまいます。
よくある質問
ワンストップ特例制度で多い疑問は「費用はかかるのか」「いつ控除されるのか」の2つです。
費用について。制度を使うこと自体に手数料はかかりません。実質的な負担は、ふるさと納税共通の自己負担2,000円のみです。書類の郵送代が別途かかる程度です。
控除の時期について。寄付した翌年の6月以降から、翌々年の5月までの住民税から、月ごとに少しずつ差し引かれます。一度にまとめて返ってくるわけではない点に注意してください。
シミュレーション

控除額の上限は年収や家族構成によって変わるため、寄付前にシミュレーションで上限を確認するのが安全です。
上限を超えて寄付した分は、自己負担2,000円とは別に、丸ごと自分の持ち出しになります。ここは実務で相談を受けるたびに気をつけてほしいと伝えていた部分です。
具体的な上限額の計算は、各ふるさと納税サイトのシミュレーターを使うのが手堅い方法です。源泉徴収票が手元にあれば、年収・家族構成を入れるだけで目安が出ます。
私自身、共働きで子どもが2人いる世帯です。配偶者の収入や扶養の状況で上限が動くので、毎年その年の見込み年収で計算し直しています。
申請手続き
申請手続きは、寄付した自治体ごとに申請書と本人確認書類を、翌年1月10日必着で郵送するだけです。

流れは4ステップです。順番に見ていきます。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 申請書を用意する | 寄付時に自治体へ申請書を希望するか、各自治体・ふるさと納税サイトから入手する |
| 2. 申請書に記入する | 住所・氏名・マイナンバーなど必要事項を記入し、対象条件のチェック欄に印を付ける |
| 3. 必要書類を準備する | 申請書とマイナンバー確認・本人確認書類をそろえる |
| 4. 各自治体へ郵送する | 寄付先ごとに翌年1月10日必着で郵送する |
必要書類は2種類です。1つ目は「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」。2つ目はマイナンバーを確認できる書類と、申請者本人を確認できる書類です。
マイナンバーカードを持っていれば、表裏のコピー1枚で両方を兼ねられます。持っていない場合は、通知カードや住民票と、運転免許証などの本人確認書類を組み合わせる形になります。
申請期限の1月10日に間に合わなかった場合は、確定申告をすれば控除を受けられます。期限を過ぎても控除を諦める必要はありません。
ふるさとチョイスのサービス
ふるさとチョイスなどのふるさと納税サイトでは、寄付の申し込みと同時にワンストップ特例の申請書送付を依頼できます。
寄付時に「申請書を希望する」を選んでおくと、後日自治体から記入済みに近い申請書が届くことが多く、自分で一から書く手間が減ります。
ここで一つ注意。サイト内で申請を希望するチェックを付けただけでは、手続きは完了しません。届いた申請書に記入し、本人確認書類を添えて郵送して初めて申請になります。
ワンストップ特例制度のメリット

最大のメリットは、確定申告をせずに寄付金控除を受けられることです。
会社員で普段確定申告に縁がない人にとって、これは大きい。申請書の郵送だけで済むので、確定申告書の作成や提出に悩む必要がありません。
一方で、私が「全員に勧めるわけではない」と思う点もあります。医療費控除や住宅ローン控除の初年度など、どのみち確定申告をする人は、この制度を使うメリットがありません。確定申告で寄付金控除もまとめて処理できるからです。
控除が住民税からのみになる点も知っておくべきです。所得税の還付という形で現金が戻ることはなく、翌年の住民税が減る形になります。手取りの増え方を実感しにくい、という声も実務でよく聞きました。
確定申告をしなくても 寄付金の控除を受けられる!
ワンストップ特例制度を使えば、確定申告書を1枚も書かずに寄付金控除が受けられます。

通常、ふるさと納税の控除を受けるには確定申告が必要です。この制度は、その例外として用意されています。
ただし大事な注意があります。確定申告をすると、ワンストップ特例制度による申請はすべて無効になります。後から医療費控除などで確定申告をする場合は、ふるさと納税分も確定申告に含めて申告し直す必要があります。
手続きはとってもシンプル!
手続きは「申請書を書いて、本人確認書類を添えて、自治体に郵送する」だけです。
マイナンバーカードがあれば、添える書類はカードの表裏コピーだけで済みます。私は毎年これでやっていて、1自治体あたり5分もかかりません。
面倒なのは、寄付先が複数あると自治体ごとに同じ作業を繰り返す点です。年末にまとめて寄付した年は、申請書が何通も届いて少し焦りました。早めに片付けるのが一番ラクです。
最近はオンラインで申請を完結できる仕組みを導入する自治体も増えています。対応状況は自治体ごとに異なるため、寄付先の案内を確認してください。
申請条件は3つ!

ワンストップ特例制度の申請条件は、確定申告が不要・寄付先が5自治体以内・寄付ごとに申請する、の3つです。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 確定申告が不要な人 | 給与所得者などで、医療費控除や住宅ローン控除(初年度)等で確定申告をする必要がない人 |
| 寄付先が5自治体以内 | 1年間(1月〜12月)の寄付先が5団体以内。6団体以上は確定申告が必要 |
| 寄付ごとに申請が必要 | 寄付するたびに、対象の自治体へ申請書を提出する |
注意したいのは「5自治体以内」というカウントの仕方です。回数ではなく自治体の数で数えます。同じ自治体に3回寄付しても1自治体扱いです。
確定申告が不要な方
確定申告が不要なのは、給与を1か所から受けていて、ほかに申告すべき所得や控除がない会社員などです。

逆に、次のような人はそもそも確定申告が必要なので、ワンストップ特例制度の対象外になります。
| 対象外となる人 | 理由 |
|---|---|
| 年収2,000万円超の給与所得者 | 確定申告が必要なため |
| 医療費控除や住宅ローン控除(初年度)を受ける人 | 確定申告でまとめて申告するため |
| 不動産所得や事業所得などがある人 | 所得の申告で確定申告が必要なため |
| 6自治体以上に寄付した人 | ワンストップの寄付先5自治体以内の条件を超えるため |
私の実務感覚で言うと、ここを誤解している人が一番多い。「ワンストップを申請したから安心」と思っていたら、医療費控除のために確定申告をしてしまい、ふるさと納税分の申告を忘れる、というつまずきです。
